「Good Bye」
たいしたことじゃないね。
つきあってもうすぐ一年で、お互いの悪いトコだんだん笑って許せなくなってきたし。
出会ったころみたいに簡単に信じあえなくなってきたし。
だから・・・・・・君にほかに好きなやつができたって、別に驚きゃしないさ。


君に別れ話持ちかけられて返す言葉もなくて。
それじゃあ別れようか君も元気でなんて手を振るの、あまりに莫迦みたいだろ。
だからせめて、さ。何か格好いい台詞言いたくて頭の中頭の中探すけど出てくるのはみんな三文小説。
500円より安い現実で、なんだか笑えちまう。


なぁ、涙目で俺を見ないでくれよ。君が泣くのは狡いだろ。
俺はどうやって君を慰めればいいのかな?
第一 ・・・・・・俺がまた君に惚れたらどうしてくれるんだ。
折角、君をあきらめかけてるんだぜ。


涙、零さないように。強くもないくせに一気に酒、呷ったりして。
帰りどうするかなんて、きっと考えてないんだろうな。
そういう子供っぽいところとか、俺は好きだったんだけど。でもそろそろ重荷だ。
君が今度好きになったヤツに君のそういうところも上手くフォローしてくれることを祈るだけさ。


・・・・・・OK、解った。今夜は最後までつきあうよ。帰りは俺が送るから、心配しなくていい。
君や俺の仲間にはさ、しばらく黙っとこう。きっとお互いにお互いのこと庇っちまうんだろうし。
――――君、幸せになれよ。泣き言言って電話してきたって、俺取らないよ。


君とそろえて買ったスニーカー、結局下ろさないまま終っちまったな。



Fin July 7,1999 Hira


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